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高速正規化相関サーチエンジン

 画像のサーチは画像処理の要素技術の一つで、カメラの撮影画像などのサンプル画像から、あらかじめ登録したリファレンス画像と最も一致する場所を求める処理です。画像検査装置をはじめとした各種産業用装置において対象物の位置決めや外観検査などに用いられ、装置の速度や精度に影響するため高速な処理が求められます。 正規化相関サーチは、サンプル画像の各座標において、リファレンス画像との間で画像同士の類似度である相関値を計算することで一致の度合いを求める手法です。この手法は忠実に画像の相関性を演算処理するため、画像の特性によらず高い精度が得られる利点があるものの、演算量が多いことで処理時間が問題になっていました。

高速正規化相関サーチエンジン サーチ結果

サーチ結果
TNT が開発した「高速正規化相関サーチエンジン」は、アイピーフレックス株式会社のダイナミック・リコンフィギュラブル・プロセッサ DAPDNA®-2 の性能を最大限に引き出すことにより平均で毎秒70サーチを達成し、画像サーチの精度と速度を両立しました。

サーチのアルゴリズム

 演算が高度に並列化された10以上のDNAコンフィグレーションを高速に切り替えながら演算処理を行います。
サーチのアルゴリズム

仕様・性能

サンプル画像(カメラ画像)サイズ 640 × 480 pixel (VGA)
リファレンス画像サイズ 最小 4×4 pixel
最大 640 ×480 pixel
(X, Y それぞれ偶数)
階調 〜16bit グレースケール
サーチ分解能 0.5 pixel (二次関数補間, サブピクセル対応)
サーチ時間(1サーチあたり) リファレンス画像サイズ 560×420
13.3ms (75 fps)
リファレンス画像サイズ 320 ×240 (ワーストケース)
31.2ms (32 fps)

TNTでは、正規化相関サーチのアルゴリズムをそのまま一つの塊としてDNAに実装するのではなく、DNAのアーキテクチャに適した形に処理を分割することで、DAPDNAの性能を最大限に引き出し、高速な処理を実現しています。 まず、画像解像度を圧縮してDNA内のRAM素子に蓄えることでSDRAMアクセスの頻度を減らし、メモリアクセスのボトルネックを解消しました。また、計算オーダが最も大きい「画素値同士の乗算の総和」の計算では、乗算器1つに4 つの乗算をパックするようなアルゴリズムの最適化を行い、演算の128並列化を達成しました。

 また、TNTでは、DFCを用いた効率的な開発と、手動での配置配線と同等の高い性能を両立しています。正規化相関サーチの各コンフィグレーションは手作業で配置配線するのではなく、C言語ベースで抽象度の高い記述言語であるDFCを用いて記述しています。アイピーフレックス社の高性能な自動配置配線ツールや 弊社開発のDFC拡張ツールなどを併用することで、演算素子の92%を使用した大規模なコンフィグレーションの自動フィッティングにも成功しました

システムの構成例

 アイピーフレックス社のDAPDNAイーサネットプラットフォーム DAPDNA-EP102 と、カメラリンクドーターボード EP-CLM1 を用いることで、画像検査装置などのカメラ画像を高速処理するシステムを容易に構築することができます。広帯域であるカメラ画像を、カメラ 近傍のDAPDNA-2によって分散処理し、必要なデータのみをネットワーク経由で伝送することで、インフラの構築コストが低減されます。
システムの構成例

アプリケーション

正規化相関サーチは画像認識、位置合わせ、検品などに利用され、以下のようなアプリケーションに適用可能です。
  • 産業用工作機械(FA、ロボット)
  • 画像検査装置
  • 測定・観測装置